アレルギーマーチとは？原因と対策を知って予防しよう

アレルギーマーチという言葉をご存知ですか？

「マーチ」という言葉自体は「行進」という意味ですが、早期に適切な対処を行うことがアレルギーマーチの進行を遅らせ、重症化を予防するために重要です。

この記事ではアレルギーマーチについて、詳しく解説していきます。

アレルギーマーチとは？

アレルギーマーチとは、赤ちゃんの頃に慢性的な乳児湿疹や食物アレルギーの症状があると、
幼児〜小学生頃にかけてアトピー性皮膚炎や気管支喘息が発症し、
中学生頃になるとアレルギー性鼻炎が発症するというように、
年齢に応じてさまざまなアレルギーの症状が次々と連鎖して現れていく現象のことを指します。
年齢を重ねると食物アレルギーやアトピー性皮膚炎、喘息は自然と治ることが多いのですが、成人になってからもこれらの症状が続く方もいます。

このように、乳児から成人に至るまでに次々にアレルギー疾患を発症していくことをマーチ(行進)に例えて「アレルギーマーチ」と呼ばれています。

アレルギーマーチの原因

アレルギーマーチが起こるメカニズムはまだ完全に解明されていませんが、
まず第１にその子自身の“アレルギーを起こしやすい体質（アトピー素因）”が発症を引き起こすもとになります。
過去の記事（アトピー性皮膚炎は遺伝するのか）でも触れたように、両親やきょうだいにアレルギー疾患の方がいると、アレルギーを発症するリスクは高くなります。

そして第２にアレルギー原因物質が皮膚から身体の中に入り込まれることが原因だと考えられています。
特に、赤ちゃんの時、顔、口周りに湿疹があると将来食物アレルギー、アトピー性皮膚炎などになり易いとされています。

過去の記事（経皮感作とアトピー性皮膚炎）でも触れたように、アレルギーの原因物質である卵や牛乳などの食べ物、ダニ、ハウスダスト、カビなどは本来なら皮膚のバリア機能でブロックされるはずなのですが、乳児期のお肌はまだ皮膚のバリア機能が十分に発達していないので、皮膚からアレルギー原因物質が入り込んでしまいます。

アレルギーマーチを進行させないために

（１）発端となる乳児湿疹を予防・対処
これは国立成育医療研究センターの研究結果として報告されており、新生児期からの保湿剤塗布によりアトピー性皮膚炎の発症リスクが3割以上低下することが分かっています。（引用：https://www.ncchd.go.jp/press/2014/topic141001-1.html））

アレルギーマーチの発端である、アレルギー原因物質が皮膚から身体の中に入り込むこと（経皮感作）を防ぐ為に、乳児期の早い頃から毎日スキンケアをしっかり行いましょう。
やさしく洗浄し、身体の隅々まで保湿を行い、皮膚を健康に保つことで皮膚のバリア機能が高まります。
おすすめのスキンケア方法についても以下でご紹介します。

（２）住環境の衛生化
ダニ、ハウスダスト、カビ、ペットの毛などの吸入アレルゲンに触れる機会を減らすこともお勧めします。こまめに掃除をし、除湿器やエアコンなどを利用して高温多湿の環境をつくらないよう心がけましょう。

また、まだ研究段階ではありますが、乳児期からビフィズス菌や乳酸菌を積極的に摂取することがアトピー性皮膚炎の予防に効果的であることも示唆されています。

まとめ

アレルギーマーチには個人差があり、一概に予防することができないことに注意が必要です。
しかし、早期発見と適切な対処によって、アレルギーマーチの発症を遅らせ、症状を軽減することができる可能性があります。
スキンケアデビューの際は、乳児期から安心して使えるものを使用しましょう。

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