大人アトピーとストレス、腸内環境の3つの関係
アトピー性皮膚炎は小さい頃に発症し、年齢とともに徐々に改善していくことが多いというイメージはありませんか?しかし、突然大人アトピーを発症するケースや小さい頃から継続的に症状があるケース、一度は改善したが再発するケース、と大人アトピーに悩む人もたくさんいるのです。
今回は大人アトピーとストレス、腸内環境の3つの関係についてのお話です。
大人アトピーの特徴
・ストレスや不規則な生活、偏った食事によるバリア機能の低下、肌の乾燥といった原因が多い
・子どもの頃より慢性化しやすく、治るまでに長い期間かかることが多い
・湿疹は体の上半身に現れることが多い
大人アトピーとストレスの関係
大人になると社会的責任、生活環境の変化、人間関係など日々さまざまなストレスを感じることが増え、大人アトピーを発症したり、もともと持っていたアトピーが再発する一因となります。
大人アトピーでは、ストレスを受けるとかゆみを感じやすくなることがあります。それは自律神経や免疫系の働きが乱れることが原因です。
抗ストレスホルモンであるコルチゾールは一時的なストレスから体を守ってくれる役割があり、皮膚の炎症やアレルギー反応を抑える働きがあります。
しかし、慢性的な強いストレスによりコルチゾールがたくさん消費されると、皮膚の炎症やアレルギー反応を抑える力が弱まります。
逆にアトピーが原因でストレスを受ける場面もたくさんあり、かゆみによる睡眠の質の低下、見た目を気にする、治療の負担などによりQOL(Quality Of Life-生活の質)が下がることが問題となっています。
大人アトピーは、長期にわたり治療と向き合わなければいけない、完治することが難しい皮膚疾患であるため、症状が軽くなるように大人アトピーの原因の一つであるストレスを取り除くことが大切です。
ストレスと腸内環境の関係
脳と腸は密接に関係しており、互いに情報を伝達し合っており、これを「脳腸相関」と呼びます。
例えば、ストレスを感じると腹痛や便秘が起こることがあります。[脳→腸へ]
逆に腸が不調であればストレスを感じます。[腸→脳へ]
このように脳で感じたことは腸にも伝わり、その逆も然りなのです。
また、ストレスを和らげ、心身の安定にかかわる「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの原料は、ほとんどが腸内細菌によって作られます。セロトニンがうまく作られるよう腸内細菌を活性化させるためには、腸内環境を整えることが大切です。
腸は「第二の脳」とも言われており、脳からの指令がなくても独自で働くことができ、私たちの心と体の健康は脳と腸によって保たれているのです。
大人アトピーの対策・改善
アトピー性皮膚炎は皮膚の疾患であるため、改善を目指すには正しいスキンケアを行うことは大前提ですが、それに加えて体の内側にある腸内環境を整えることも必要です。
腸内環境を整えるにはバランスのとれた食事、適度な運動、質の良い睡眠を十分にとることが重要です。
まとめ
大人アトピーはストレスと密接に関係しており、ストレスは腸内環境と関係している。そのため、大人アトピーの症状を和らげるためには腸内環境を整えることも必要ということです。
大人アトピーと、この現代のストレス社会の関係を切り離すことは難しいですが、腸内環境を整えることは、日々の暮らしの中で簡単に取り入れられることから始めるとそう難しくはなく、少しずつ習慣化していくのではないでしょうか。
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