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五臓と皮膚の健康状態との関連(脾)

本格的な梅雨に入り、毎日ジメジメした日が続きますね。
この季節は、なんだか頭が重たい・体が気だるい・古傷が痛む・ヘアスタイルのセットに困るなどなど、気候が自分の体に与える影響を感じますよね、、、。
梅雨時期をどうすれば快適に過ごせるか、今回も東洋医学の視点からご紹介いたしますので、どうぞ最後までお読みいただき日常生活に役立ててくださね!

脾

さて、
自粛期間、テレワークなどで座ってパソコンやゲームが増えた。
ご時世にくよくよと考え込むことが増えた。
思い当たりませんか?

これから梅雨本番。
そんなあなたは体調を崩しやすくなりますので、
今回のコラムをしっかりチェックです!

消化・吸収・輸送の役割を担う【脾(ひ)】

今回ご紹介する【脾(ひ)】は、
私たちが口にする飲食物からエネルギーを作り出すために
大切な「消化」「吸収」「輸送」を担当しています。

この「消化・吸収・輸送」のことを、
東洋医学では運化と呼びます。
また脾の運化の働きは、
生まれた後に=後天的に、
生命を維持するためのエネルギーを作り出しています。
そのため、「後天の本(こうてんのほん)」と言われています。

つまり、消化吸収から各組織へ栄養を届けるまでの、
大変重要な役割を指して、東洋医学では運化と呼ぶのです。

先ほどご紹介した、
消化吸収と輸送を調節する → 運化(うんか)と、
その他にも
体内の様々なものを上に持ち上げる機能 → 昇清(しょうせい)
血液が血管内から漏れ出さないようにする機能 → 統血(とうけつ) という機能もあります。

ですので、脾の機能が低下すると、
こんな症状が現れてきます↓

運化の低下で・・・
消化不良による、腹痛・下痢・食欲不振・膨満感・食後の強い眠気がくる
水の代謝低下で、むくみ・痰がらみの咳が出る

統血の低下で・・・
血管外へ血が漏れ出し、血便・血尿・不正出血・覚えのない内出血が多い

昇清の低下で・・
胃下垂・脱肛・お顔がたるむ・お腹が下がる

そのほかに、
・口の中が乾く
・味覚異常
・唇の色が悪い
・飲み込みにくい
・よだれが漏れ出す
・筋肉(肌肉)が痩せてくる
などなど、
本当に多くの不調が現れてくるのが特徴です。

で、

最初に質問した
「自粛期間に家でじっと座って携帯やパソコンを見ている。」
「テレワークで座っている時間がとても増えた。」
「仕事や日常生活が思うようにいかなくて、くよくよと考え込んでいる時間が増えた。」

実はこれら全て、、、
脾の働きを低下させてしまう要因なのです・・・。

長時間座り続けるのも、
体を動かさず考え込んでばかりいるのも、
どちらも
消化吸収を妨げたり
内出血が出来やすくなったり
お顔やお腹がたるんだり
と、思いも寄らない不調と関連が深いのです。

また、
東洋医学では、脾は「生痰の源(せいたんのみなもと)」とも言われます。
脾の働きが落ちると、むくみが出やすくなりますし、
湿気が多い季節も、実は脾の働きに悪影響を与えてしまいます。
脾はとにかく湿気に弱いのです。
だから、
本格的な梅雨で体調を崩したくない人は
【脾】をいたわるこんなケアをしてあげましょう!  

脾を助けるもの

運動・・・ウォーキングや縄跳びなど、ちょっと心拍数を上げる程度の簡単な運動を増やす。体内循環が良くなりますし、心臓を活発にすると体内の余分な水分を発散して脾が元気になります。汗をしっかりかいたら、HOLOピュアソープの泡で優しく体を洗いましょう。

脚の内側をケア・・・脾の機能を助けるツボが並んでいる、内くるぶしから膝の内側にかけてふくらはぎの内側を優しくマッサージ。この時HOLOピュアクリームを使うと滑りも良く、香りも楽しめて、保湿もできます♪

食べ物・・・雑穀米などに含まれる「粟(アワ)」や、サムゲタンに使う「棗(ナツメ)」をお湯に戻して飲んだり食べたり、お肉を食べるなら牛肉が良いでしょう。

そして、
【脾】とペアを組んで、お互いの機能を助け合うとされているのは、「胃」です。
脾と胃は互いに協力しあって、飲食物から栄養分を抽出して全身に循環させます。「胃の調子が悪い」と感じる方は、先ほど紹介した脾のセルフケアをお試しください。

【脾】を助ける指圧のツボをご紹介

三陰交(さんいんこう)
三陰交(さんいんこう)

「三陰交(さんいんこう)」・・・下腿(ふくらはぎ)の内側。内くるぶしから指4本分膝側にとる。スネの骨とふくらはぎの筋肉の際で、押すとズーンと響くところ。脚のむくみに!

四白(しはく)
四白(しはく)

「四白(しはく)」・・・目の下。黒目と鼻の穴を結んだ線の交点。少し凹んでいるところ。お顔のたるみに!

今年の梅雨は長引きそうです。
しっかりセルフケアをして、
健康的に梅雨を乗り切りましょう!

次回は、いよいよ五臓ラストの「腎」。東洋医学では五臓の中でもっとも重要な役割を担っています。お楽しみに。

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このコラムの監修者

 

鍼灸roomきゅうあん 代表四元 智己 先生

国家資格: 鍼師、灸師、あん摩マッサージ指圧師
出身大学: 成蹊大学工学部(体育会ラグビー部所属)

<経歴>
成蹊大学工学部卒(体育会ラグビー部所属)
外資系医療機器メーカーにエンジニアとして勤務
難病を患った父との闘病生活をきっかけに東洋医学の道を志す
東京衛生学園専門学校東洋医療総合学科へ入学
働きながら夜間部に通い同校を首席で卒業
福岡県太宰府市できゅうあん鍼灸治療院を開業
福岡県鍼灸マッサージ師会会員